加齢黄斑変性とは
加齢黄斑変性は、眼底の一番大事な中心部分である黄斑に異常な老化現象が生じて出血や浮腫(むくみ)を起こし、視野の真ん中が見えにくくなったり、歪んだりする病気です。
病名中の「黄斑」とは、網膜の中心にあり、物をよく見るときに使う、たいへん重要な部分です。黄斑に異常が生じると、それがわずかなものであっても視力を低下させ、しばしば回復が困難となります。
そして加齢により黄斑部の細胞のはたらきが悪くなると、酸素や栄養分の供給が低下し、老廃物が蓄積されてきます。この状態がさらに進行すると、黄斑部に異常な血管(新生血管)が生じます。
加齢黄斑変性は、脈絡膜から発生する良くない血管(新生血管)が原因で起こります。
新生血管はもろくて弱いため、破れて出血したり、進行すると網膜剥離を引き起こします。
また血液中の成分がもれ出して、黄斑が腫れるため、ものが見えにくくなり、視力低下、物が歪んで見える、見たい所が見えないなどの自覚症状があります。
また、加齢黄斑変性には「滲出型」と「萎縮型」の2つのタイプがあります。
「萎縮型」は病状の進行が比較的緩やかですが、「滲出型」は進行が速く、急激に視力が低下していきます。 それぞれのタイプに合せて治療を行っていきます。
加齢黄斑変性が疑われる患者さんの検査の流れ
1.問診
患者さんの自覚症状などを詳しくお伺いいたします。
2.視力検査
3.眼底検査
4.網膜断層検査(光干渉断層計)
5.蛍光眼底造影
加齢黄斑変性の治療法について
加齢黄斑変性の硝子体内注射による治療
当院では、加齢黄斑変性には、硝子体内注射による治療を行っております。
加齢黄斑変性のうちの滲出型では、網膜の下に広がる脈絡膜に新生血管が生じます。この脈絡膜新生血管の発症や進行に関与していると言われるVEGFという物質があるのですが、このVEGFの作用を抑制する抗VEGF阻害薬を直接、硝子体腔に注入する新しい治療法です。当院で使用可能な抗VEGF阻害薬には「ルセンティス」と「アイリーア」の2種類があり、病状により使い分けを行っています。